『君のためなら千回でも』(原題:The Kite Runner)
原題(原作)は『カイトランナー(凧追い)』なのですが、この映画の舞台・アフガニスタンの文化や風習に精通しているとはいい難い日本ではこの邦題で大正解です。
それほど邦題のフレーズは心に染み入るのです。
原作の“カイトランナー”ですが、アフガニスタンでは凧揚げが盛んで、年に一度「凧合戦」が催されていました。
凧合戦とは、凧糸にガラス粉をコーティングして、相手の凧糸を切って凧を落とすのです。最後に勝ち残った者が優勝者です。
落ちた凧を戦利品として奪い合うのがカイトランナーです。特に最後に落とされた凧は価値があり、この凧を手に入れたカイトランナーほど優秀とされていました。
映画を観終わった後では、“カイトランナー”に込められた作者の想いは通じますが、観る前に惹きつけるには邦題かな、やっぱり。
主人公は少年の頃から作家になる夢を抱いていたアミール。
ソ連のアフガニスタン侵攻によってアメリカへ亡命し、ようやく念願の作家デビューを飾るという時に恩人から電話が入ります。
それは遠い昔に犯してしまった過ちを呼び覚ますには十分過ぎました。忘れていたのではなく、ずっと心に棘がささったまま疼いていたのです。
アミールの胸に平和だったアフガニスタンでの少年時代の記憶がよみがえります。
君のためなら千回でも!
ハッサンはそう言って凧合戦の日、アミールが最後に落とした凧を追いかけて行きました。彼ほど優秀なカイトランナーはいませんでした。
少年時代のアミールとハッサンは兄弟のように育ちました。
主人の息子と使用人の息子、パシュトゥーン人とハザラ人。
2人の間には身分という壁がありましたが、ありったけの忠誠心と友情をハッサンはアミールに示してくれたのです。
恩人と会ったアミールは、そこで衝撃的な事実を聞かされます。
20年の歳月を経た今、アミールはあの時のハッサンの気持ちに応えるべくある決意をするのです。
文句なし!原作の感動を壊さず、脚本、演出、そしてキャスト(特に子役すごい!)どれも良かったです。
映画の中盤で早くも涙、ラストはもう大変でした。
過去と現在の伏線の張り方、台詞が絶妙です。プロット練られてるなあ。上手いっつ!!
「凧合戦」のシーン、見応えありました。
青空に舞う凧。空を切って旋回、下降から一気に上昇、カメラワークが素晴らしいです。凧の気持ちになれます。
映画ではタリバン政権下のアフガニスタンも描かれているのですが(実際は中国ロケ?)、当時ニュースで流れていたのは“こういうことだったのだ!”と身につまされました。
【おまけ】
ソーラブ君、かわいかったよー。
リバプールのスティーヴン・ジェラード君みたいです。
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コメント
観て来ました!
本当に胸に迫る映画でした。
最初の 子供時代の回想に入った場面でもう、あぁ この国にも こんなに活気に満ちて、人々のそれぞれの暮らしが息づいていたときがあったのに・・と 胸がつまってしまいました。
(対立や差別や貧富の差はあったにせよ)
あとはもう、涙があふれて仕方なかったです
少年時代のアミールの ある種の劣等感や それゆえの行動、うしろめたさと後悔、そしてハッサンのまっすぐな友情、どれも切なさがひしひしと伝わってきて。
凧のシーンだけは本当に、こちらも一緒に突き抜けたような気持ちになれました。
帰りに、原作読みたくなって本屋に寄ったら、下巻だけしかなかったー、残念
原作を読むと もっとそれぞれの心情の深い部分までが感じられるのだろうと想像します。
今度きっと読んでみますね!
投稿: hagi | 2008年4月 1日 (火) 00時44分
>hagi様
こんにちは!
そうなんですよ~。本当に胸につまる作品ですよね。私も中盤で涙して、ラストは大変でしたから
少年時代のアミールのコンプレックス。ハッサンの邪気のない笑顔。
この対比があったからこそ、成長し真実を知ったアミールの贖罪ともいえる巡礼の旅に、観る側もインスパイアーされ感情が湧き出てきちゃうんでしょうね。
原作、機会がございましたら是非お読みになってくださいませ!
映画では描ききれなかった人物の心情やエピもありますので、おススメです。もうね、ソーラブ君がね…
ちなみに私は図書館から借りて読みました。(なので旧タイトルの『カイトランナー』です。)
投稿: 潮風 | 2008年4月 1日 (火) 20時00分